詫間町公民館「粟島新生大学~これからの離島の遠隔医療とドローンの導入に関して」

更新日:2020年10月30日

スクリーンの横で講演する講師
講演を聞く受講生たち

▲10月19日(月曜日)、詫間町公民館による高齢者大学「粟島新生大学」が粟島開発総合センターで開催されました。香川大学瀬戸内圏研究センター特任教授の原 量宏 先生をお迎えし、「これからの離島の遠隔医療とドローンの導入に関して」と題して講演をしていただきました。

国土交通省に採択され、三豊市が取り組む「粟島スマートアイランドプロジェクト」では、島民たちのこれからの「移動・医療・物流」について新しい技術を利用した環境づくりを目指します。今回の粟島新生大学では、遠隔医療の分野ですでに実験に取り組まれている原先生に直接お話を聞くことができました。粟島の方々にとっては身近で切実な問題である「医療」を支えてくれるとても興味深い講演に、みなさん真剣に耳を傾けていました。

オンライン講義をするスクリーンの中の講師
プロジェクトの説明をする職員

▲香川県内に21ある有人離島では、医療機関の多寡に比例して人口の増減があり、離島の活性化に医療が大きくかかわるそうです。原先生は、ドローンを使用して「モバイル心電計」や医薬品を配送したり、リアルタイムでのオンライン診療を行う環境を整えるため、すでに実践的な取り組みをされています。処方箋の電子化や調剤薬局との連携などすでに前向きに進んでいる問題もありますが、現在粟島ではモバイルの環境しかないため大きなデータを送信するには機能アップする必要があるなど、これからも取り組むべきことがあるようです。

▲ドローン遠隔医療を進めていくには法的な問題も多くあります。その際に協力を仰いだ、香川大学法学部教授 肥塚肇雄先生に法的整備についてお話いただくため、香川大学法学部の学生も参加するオンライン講義と兼ねることになりました。また、全国の遠隔医療に興味のある医師・看護師もオンラインで参加し、総勢80名ほどの講座となりました。

そのほかにも、三豊市交通政策課より「粟島スマートアイランド推進事業」の概要説明や、ドローン遠隔医療の様々な機材を開発・提供している企業からの説明などもありました。

遠隔医療については「日本でこんなに成功している地域はない!ぜひこのプロジェクトを成功させていきたい」という両教授の力強い言葉もあり、医療という粟島にとって重大な地域課題の解決に向け、粟島の皆さんには大きな期待となったのではないでしょうか。

 

 

 

心房細動の検査をうける受講生
グリーンスローモビリティに試乗する受講生

▲講座の終了後、ドローンで配送する予定である「モバイル心電計」を使った心房細動の検査を受けました。

遠隔医療で使用する装置はすべて小さく改良されており、その装置でしっかりと検査が可能な上、リアルタイムで本土にいる医師に送信できる環境に、みなさん驚かれていました。粟島新生大学・学級長の山北さんは「粟島の人たちも、自分や家族が病気になった時のことを心配している。こんなにありがたいことはない。」と話されました。

また、「粟島スマートアイランドプロジェクト」の一端である、「グリーンスローモビリティ」がこの日から実証運行が開始されており、試乗させてもらうことができました。「普段、家族に車を出してもらうけど、昼間は交通手段がなくて困ってた。乗り心地も良かったし、これから運行するなら活用したい」といった声もあり、参加者からは好評でした。

粟島新生大学の参加者にとって、生活に直結した課題解決に向け、深く関心のある充実した講座内容となりました。

 

 

 

お問い合わせ

教育委員会事務局 生涯学習課
〒767-8585
香川県三豊市高瀬町下勝間2373番地1
電話番号 :0875-73-3135
ファックス:0875-73-3140

お問い合わせはこちらから