子宮頸がん予防接種について

更新日:2024年03月08日

子宮頸がんとその予防について

 子宮頸がんは、子宮の入口付近にできる”がん”で、近年20~40歳代の人に増えています。
 子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染により起こります。HPVの多くは性交渉によって感染し、毎年約1.1万人が発症し、約2,900人もの人が亡くなっています。

 三豊市では、子宮頸がんを予防するために、HPVの感染前にできるだけ多くの人にワクチンを接種していただくよう、小学6年生から高校1年生相当年齢の女性を対象に子宮頸がんワクチンの接種費用を助成します。また、積極的な勧奨を差し控えている間に定期接種の機会を逃した人(平成9年度から平成18年度に生まれた女性)についても接種費用を助成します。
※平成19年度生まれの女性は、定期接種の対象年齢を超えても2025年(令和7年)3月末までは接種の対象となります。

 子宮頸がんは、ワクチン接種により予防ができる"がん"です。ただし、ワクチンを接種したからといって完全に予防できるものではありません。がんを予防するために、20歳から2年に1度は、住民検診や医療機関で実施する「子宮頸がん検診」を受けるように心がけましょう。

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を受ける皆さまへ

接種の前に、ご本人とご家族でリーフレットを必ずお読みください。ワクチンの効果とリスクなどに十分ご理解いただいた上で、接種についてご判断いただきますようお願いします。

小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ

※HPVワクチンは、平成25年(2013年)6月から、積極的な勧奨を一時的に差し控えていましたが、令和3年(2021年)11月に、専門家の評価により、「HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることが妥当」とされ、令和4年(2022年)4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨を行っています。

平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性の方へ

平成9年度~平成18年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性の中に、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した人がいます。

まだ接種を受けていない人に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会を提供しています。

HPVワクチンの効果

公費で接種できるワクチンは、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類(※)あります。
(※)令和5年4月からシルガード9も定期接種の対象として、公費で受けられるようになりました。詳細は、「9価HPVワクチン(シルガード9)について」(厚生労働省ホームページ)をご覧ください。

  • サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類(型)であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
  • シルガード9は、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

公費で受けられるHPVワクチンの接種により、感染予防効果を示す抗体は少なくとも12年維持される可能性があることが、これまでの研究でわかっています。(ワクチンの誕生以降、期待される効果について研究が続けられています。)

子宮頸がんそのものの予防効果については引き続き評価が行われている状況ですが、海外や日本で行われた疫学調査(集団を対象として病気の発生などを調べる調査)では、HPVワクチンを導入することにより、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が示されています。
また、HPVワクチンの接種を1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人※1ががんにならなくてすみ、約20人※2の命が助かる、と試算されています。
※1 59~86人
※2 14~21人

HPVワクチンのリスク

HPVワクチンの接種後には、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどが起こることがあります。
まれですが、重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。

(厚生労働省リーフレット2024年2月改訂「詳細版」より)
発生頻度 2価ワクチン(サーバリックス) 4価ワクチン(ガーダシル) 9価ワクチン(シルガード9)
50%以上

疼痛、発赤、腫脹、疲労

疼痛

疼痛

10~50%未満 掻痒(かゆみ)、腹痛、筋痛、関節痛、頭痛など 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 じんましん、めまい、発熱など 頭痛、そう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血など
1%未満 知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症など 失神、嘔吐、関節痛、疲労など 感覚鈍麻、失神、四肢痛など

ワクチンの接種を受けた後に、広い範囲に広がる痛みや、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されています。
この症状は専門家によれば「機能性身体症状」(何らかの身体症状はあるものの、画像検査や血液検査を受けた結果、その身体症状に合致する異常所見が見つからない状態)であると考えられています。
また、同年代のHPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在することが明らかとなっています。
このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。

ワクチンの接種を受けた後や、けがの後などに原因不明の痛みが続いたことがある方は、これらの状態が起きる可能性が高いと考えられているため、接種については医師とよく相談してください。

ワクチンの種類と接種間隔

HPVワクチンは、一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関にご相談ください。

3種類いずれのワクチンも、1年以内に規定回数の接種を終えることが望ましいとされています。下図の接種間隔を参考に接種しましょう。

9価ワクチン(シルガード9)
対象者 1回目の接種を15歳になるまでに受ける人(15歳の誕生日の前日まで)
接種回数 2回
接種間隔

シルガード9の接種間隔イメージ図(15歳未満)

  • 2回目 1回目の接種の6か月後

(※1) 1回目と2回目の接種は少なくとも5か月以上あけます。1回目と2回目の接種間隔が5か月未満である場合は、3回目の接種が必要になります。3回目の接種は、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて接種します。

9価ワクチン(シルガード9)
対象者 1回目の接種を15歳になってから受ける人(15歳の誕生日から)
接種回数 3回
接種間隔

シルガード9の接種間隔イメージ図(15歳以上)

  • 2回目 1回目の接種の2か月後
  • 3回目 1回目の接種の6か月後

(※2、3) 上記の接種方法をとることができない場合は、1か月以上の間隔をあけて2回接種し、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて3回目の接種を受けます。

4価ワクチン(ガーダシル)
接種回数 3回
接種間隔

 ガーダシルの接種間隔イメージ図

  • 2回目 1回目の接種の2か月後
  • 3回目 1回目の接種の6か月後

 (※2、3)上記の接種方法をとることができない場合は、1か月以上の間隔をあけて2回接種し、2回目の接種から3か月以上の間隔をあけて3回目の接種を受けます。

2価ワクチン(サーバリックス)
接種回数 3回
接種間隔

 サーバリックスの接種間隔イメージ図

  • 2回目 1回目の接種の1か月後
  • 3回目 1回目の接種の6か月後

(※4、5)上記の接種方法をとることができない場合は、1か月以上の間隔をあけて2回接種し、1回目の接種から5か月以上かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔をあけて3回目の接種を受けます。

接種する場所

 三豊・観音寺市の実施医療機関で予防接種が受けられるほか、県内の医療機関でも受けられます。
県外の医療機関で接種を希望する場合は、健康課まで事前にお問合せください。

接種に必要なもの

  • 予診票
  • 母子健康手帳
  • 健康保険証
  • 同意書(保護者が同伴できない場合)
    ※ 原則として保護者同伴ですが、保護者が同伴できない場合は同意書が必要です。ただし、13歳以上の人に限ります。

 

▶予診票の発行・再発行の申請は下記フォームよりお申込みください。

【三豊市】HPVワクチン予診票の発行・再発行申請フォーム

接種に際しての注意事項

 次のいずれかに該当する人は、特に、健康状態や体質などを担当の医師にしっかり伝え、予防接種の必要性、リスク、効果について十分な説明を受け、よく理解したうえで接種を受けてください。

  • 血小板が減少している、出血した際に止まりにくいなどの症状のある人
  • 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患のある人
  • 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた人
  • 過去にけいれんの既往のある人
  • 妊娠または妊娠している可能性のある人
  • ワクチンを接種した後や、けがの後等に原因不明の痛みが続いたことがある人

接種部位には主に、腕の肩に近い外側の部分(三角筋)が選ばれるので、接種当日はこの部分を露出しやすい服装にしてください。

他の予防接種との接種間隔に注意してください。新型コロナウイルスワクチンとの接種間隔は前後2週間以上空けてください。

ワクチン接種後の注意事項

  • 筋肉注射という方法で接種しますが、針を刺した直後から、強い痛みやしびれが生じた場合は、担当の医師にすぐに伝えて、針を抜いてもらうなどの対応をしてもらってください。また、その後の対応についても相談してください。
  • 予防接種直後に、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神が現れることがあります。失神し、倒れて怪我をする例も報告されているため、接種後の移動の際には、保護者の方が腕を持つなどして付き添うようにし、接種後30分ほどは体重を預けられるような場所で、なるべく立ち上がることを避けて、待機して様子を見るようにしてください。
  • 予防接種当日は激しい運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の体調管理をしっかり行ってください。
  • 接種部位の異常や体調の変化、さらに高熱、けいれん、長期間持続する激しい痛みなどの異常な症状を呈した場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

また、接種後に気になる症状が現れたときは、以降の接種を中止することが可能です。気になる症状があれば、担当の医師に相談してください。 

HPVワクチンに関する相談先一覧

接種後に、健康に異常があるとき

まずは、接種を受けた医師・かかりつけの医師にご相談ください。

また、HPVワクチン接種後に生じた症状について、患者により身近な地域で適切な診療を提供するため、各都道府県において、「ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関」を選定しています。協力医療機関の受診については、接種を受けた医師またはかかりつけの医師にご相談ください。
協力医療機関は厚生労働省のホームページ(外部リンク)に掲載されています。

不安や疑問があるとき、困ったことがあるとき

  • 香川県健康福祉部感染症対策課
    電話番号:087-832-3302
  • 香川県教育委員会事務局保健体育課(学校生活に関すること)
    電話番号:087-832-3764

HPVワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談

HPVワクチンを含む、予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談にお答えします。

  • 厚生労働省 感染症・予防接種相談窓口
    電話番号:0120-331-453
    受付時間:平日9時~17時(土曜、日曜、祝日、年末年始は除く)

※行政に関するご意見・ご質問は受け付けておりません。
※この相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間業者により運営されています。

健康被害に関する相談

健康課までご相談ください。

  • 三豊市健康課
    電話番号:0875-73-3014

健康被害救済制度

 予防接種によって引き起こされた副反応により健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。

関連情報

お問い合わせ

健康福祉部 健康課
〒767-8585
香川県三豊市高瀬町下勝間2373番地1
電話番号:0875-73-3014
ファックス:0875-73-3020

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