高瀬町公民館「高瀬のむかし話を歩く」

更新日:2022年06月28日

住職の説明
石造宝塔にお参り

▲6月15日水曜日、高瀬町公民館による「高瀬のむかし話を歩く」が開催されました。

 旧町時に作成された、民話集「高瀬のむかし話」に掲載されている昔話の地を訪れる講座です。

 第1回目は高瀬町下勝間地区を巡りました。

 みとよ未来創造館を出発し柞原寺(くわらじ)に到着。ご住職の乾さんにむかし話「弘法の松」について聴きました。大師の遺徳を偲んで命名されたこのアイグロ松は、およそ南北朝時代に当寺境内に植えられたものと推定され、樹齢600年、県の天然記念物に指定されていました。残念ながら、その後、枯れてしまいましたが、現在は2代目の松が元気に育っています。この日はどれだけ立派な松であったのか、当時の写真を見せてもらいました。※その松の姿は「地を這うように松の枝が四方に伸びて地面を覆っており、鳳凰が羽を休めた姿に似ている」と「さぬき一千一話」に書かれています。

カツヒコさんの説明をする中西さん
勝彦神社と椿井戸

▲勝彦神社を管理されている中西さん

 次に向かったのは、地域の人たちから「カツヒコさん」と親しまれている勝彦神社です。その奥にある椿井戸には「ゴニンサン」という不思議な石の昔話が伝わっています。お堂はなくなりましたが石の(ほこら)が残っており、お参りをすると病気が治るという伝説があります。かつて御旅所として神輿が立ち寄ったこの場所は、現在でも社日にはのぼりを建て、掃除とお参りを行っているそうです。

肩切り地蔵の話をする中西さん
お堂の中の肩きり地蔵

▲次に、楠木(くすのき)(あん)で「肩切り地蔵」の話を聴きました。ここには昭和の半ばまで大きな(くすのき)がありました。宮造りの一間四面のお堂は180年前当時のもので、堂内には「肩切り地蔵」と呼ばれているお地蔵様が祀られています。切り付けられた若い武士の身代わりとなったという話や街道に出る山賊から守ってくれるという話が残っています。そして、お地蔵様に感謝した地区の方たちは傍にある辻堂で旅人たちに茶の湯の接待を行うようになり、これがお遍路さんへの「高瀬のお接待」の始まりとなったそうです。

石の塔の話をする中西さん
石の塔

▲最後に、威徳院勝造寺層塔を訪れました。「石の塔」と呼ばれ、高さは約7メールもあります。誰が何のために建てたかわかっていませんが「弘法大師が一晩で作り上げた」、「八百比丘尼が全国を仏の道を説いてまわった際に建てた」という話があるそうです。後者に関する話は椿井戸にも残っているため、かつて八百比丘尼が高瀬の地にたどり着き、地元を歩いたのかと考えるととても興味深いことです。

 

 「地元に住んでいるけど、こんなところに祠があるなんて知らなかった」「横を車で通るたびに気になっていた。近くでみると石の塔がこんなに大きいなんて…」と、受講生たちは、乾さんや中西さんの話にメモを取りながら真剣に耳を傾けていました。

 私たちの住んでいる三豊市には、数多くの民話や伝説が伝わっています。

 これまで何百年も人から人へ語り繋いできました。そして、現在これらの話は「高瀬のむかし話」として読むことができます。私たちも実際に昔話の地を訪ねて学び、途絶えさせることなく、子孫の世代へ語り繋いでいけるようにしていきたいと思います。

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