伊舎那院-秘蔵の宝
不動明王(ふどうみょうおう)
大日如来が普通一般の者を救済されるときには菩薩の姿で現れますが、普通の説法では救いがたい者や悪魔に対しては、恐ろしい怒りの顔かたちで現れます。伊舎那院の不動明王は立ち姿で、高さ95センチメートル、一木造りの彩色された像でしたが、今は色が落ち黒色を帯びています。衣の彫刻などが非常に美しい像です。
金剛力士像(こんごうりきしぞう)
一般には仁王さんと呼ばれている仏の道場の守護神です。
伊舎那院の山門の両側にある金剛力士像は、向かって右の阿(あ)像が2.18メートル、左側の吽(うん)像が1.98メートルあります。鎌倉時代の作といわれ、金光院(現在の金比羅宮)よりおくられたものとされています。
石造宝塔(せきぞうほうとう)
町指定の文化財で、香川県内にも幾つかの宝塔が残っていますが、塔身や細くなっている部分に装飾があるのは県内では伊舎那院の宝塔のみで、貴重な遺物となっています。宝塔には銘文がなく、推定ですが鎌倉時代後期のものといわれています。
釈迦涅槃図(しゃかねはんず)
お釈迦様が亡くなったときのようすを描いたもので、お釈迦様の供養の会である涅槃会に用いられたものです。伊舎那院の涅槃図は縦133.5センチメートル、横129センチメートルで、お釈迦様は右手を枕にして横たわっており、弟子や国王、大臣から動物たちまでが泣き悲しんでいます。また母にあたる摩耶夫人が天から降りてくる姿も描かれており、お釈迦様を救おうとして投げた不死の薬が樹木の枝に引っかかってしまったようすも描かれています。こうしたことから鎌倉時代末期のものとされています。(涅槃図は時代によって描き方が変わっています。)
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更新日:2020年03月02日