プレコンセプションケア
若いみなさんに知って欲しい!! 「プレコンセプションケア」
プレ(前)コンセプション(妊娠)で、妊娠前のヘルスケアという意味。つまり、若い男女が将来どんな人生を送りたいかを考えて、妊娠前の健康管理に取り組むことです。早くから正しい知識を得て健康的な生活習慣を身に着けることが、将来のすこやかな妊娠・出産につながり、未来のこどもの健康の可能性も広げていくという考え方です。今は妊娠や結婚を考えていなくても、プレコンセプションケアを実施することでより豊かで幸せな人生につながります。
プレコンセプションケアが大切とされる背景
不妊やハイリスク妊娠が増加傾向にある昨今では、早いうちからその原因や自分の健康状態を把握して、ケアを始めることが大切です。
やせの女性の増加
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増えています。やせ過ぎは、貧血やうつといった病気だけでなく、不妊や低出生体重児のリスクも高めます。特に、日本は小さく生まれる赤ちゃんの割合が高い国。その大きな原因の一つが「やせ」だと言われています。
月経トラブルの放置で不妊の原因増加
不妊に悩む方も多く、「生理不順を放置していた」「無理なダイエットで無月経になった」「生理痛をがまんしていた」など、子宮の病気や排卵が起きていない可能性があります。将来の不妊の原因になることがあるので、月経トラブルは放置せず、婦人科を受診しましょう。
男女ともに「生殖」に関する知識がないこともプレコンが推奨される背景にあります。あなたは卵巣・精巣の役割や高齢出産のリスクについてきちんと知っていますか?自分のパートナーと体について正しい知識を身に付けてケアをはじめましょう。
年齢と妊娠について知ろう
妊娠・出産に適した年齢は20代、遅くても30代半ば頃と言われています。これは「医学的な適齢期」です。30代半ばから年齢が上がるにつれて様々なリスクが高くなるとともに、出産に至る可能性が低くなります。パートナーとしっかり話し合い、将来のライフプランを立てましょう。
女性の場合(卵子)
女性は産まれる前から卵子を持っています。胎児の時期が最も多く、その後は新たにつくられることはありません。年齢を重ねるとともに卵子の数は減少し、卵子の老化が起こることが分かっています。
男性の場合(精子)
精子は思春期以降、新しくつくられ続けます。女性よりゆるやかですが、年齢を重ねるとともに、数が減少したり、運動率や質が低下したり、遺伝子異常も起こりやすくなることが分かっています。
自分のライフプランを立ててみましょう
就職・結婚・妊娠・出産・育児などの理想のライフプランを考えてみましょう。
プレコンセプションケアをはじめましょう
1.適正体重を維持しましょう
やせも肥満も不妊や妊娠・出産のリスクを高めます。20歳代の女性の5人に1人がやせと言われています。栄養不足による若い女性のやせは、貧血や将来の骨粗しょう症状の原因だけでなく、低出生体重児等、将来の赤ちゃんの健康にもかかわります。また、肥満は生活習慣病の原因になる以外にも、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクになります。
自分の身長・体重のバランスを確認してみましょう。
BMI=体重(キログラム)÷ 身長(m)÷身長(m)
(例)身長158センチメートル、体重56キログラムの場合 56÷1.58÷1.58=22.4
18.5未満 |
やせ |
18.5~24.9 |
普通 |
25以上 |
肥満 |
2.バランスのよい食事をとりましょう
普段の食事に主食・主菜・副菜はそろっていますか。やせることを優先して栄養不足、エネルギー不足に陥っている女性が多くいます。1日3回食事をとり、若い世代で不足しがちな栄養素をしっかりとりましょう。毎回の食事で主食・主菜・副菜がそろうように意識して食べるとバランスが良くなります。
管理栄養士による個別相談
妊娠を望む女性や妊産婦、乳幼児の保護者からの、食事や栄養に関する相談に応じる個別相談を奇数月で実施しています。
【対象】妊娠を希望している女性、妊産婦、乳幼児、学生 等(ご家族の方もどうぞ)
開催日 |
時間 |
令和7年5月9日(金曜日) |
13:30~16:00 ※1枠30分です。 |
7月11日(金曜日) |
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9月12日(金曜日) |
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11月14日(金曜日) |
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令和8年1月9日(金曜日) |
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3月13日(金曜日) |
【場所】三豊市役所3階 キッズコーナー「なないろ」
【その他】予約制。時間帯はご相談ください。
3.葉酸をとりましょう
妊娠前から妊娠初期にかけて、葉酸というビタミンをしっかり摂ることで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防につながります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができる時(受胎後およそ28日)に起こる先天異常で、無脳症・二分脊椎・髄膜瘤などがあります。
三豊市では、妊娠届出の際に、妊娠中に重要な栄養素である葉酸のサプリメントを希望する妊婦さんに配布し、啓発しています。
妊娠前から葉酸を摂りましょう(PDFファイル:439.1KB)
4.睡眠で心身のメンテナンスをしよう
睡眠はこころとからだのメンテナンスに欠かせない、大切な生活習慣です。理想的な睡眠時間は6~8時間といわれています。質の良い睡眠は、日々の疲れを回復させるだけでなく、さまざまな病気の予防につながります。
5.ストレスを溜め込まない
過度のストレスは不安や抑うつの原因になります。まずは自分のストレスに気づくこと、そして、ストレスと上手に付き合うため、自分にあったコントロール方法を身につけることが大切です。ストレスが強く、心身に不調を感じる時には、早めに専門の医療機関へ受診し、相談することをお勧めします。
6.適度な運動をする
プレコンセプションケアでは、1週間に「150分」の運動を目安にしています。普段運動をする習慣がない方は、今より毎日10分長く歩いたり、早く歩く、またお家で筋トレやヨガなどで身体を動かす等、できることから始めてみましょう。
7.タバコはやめましょう
タバコはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。また、男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低出生体重児を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子になるなど、広い範囲に影響を及ぼします。
8.アルコールには気をつけましょう
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール性症候群の原因になります。妊娠を考えた時からアルコールは控え、妊娠中のアルコールはやめましょう。
9.若い頃から健診を受ける
生活習慣病やがんは、自覚症状がない段階で早期発見・早期治療することで重症化を予防できます。
大切な身体のために、気軽に相談できる「かかりつけ医」を持つようにしましょう。女性は「婦人科」のかかりつけ医を持つこともおすすめします。
また、お口の健康は全身の健康につながっています。定期的に歯科でお口のチエックをうけましょう。
【がん検診】
今、「日本人の2人に1人は、生涯において一度はがんになる」と言われています。初期のがんは症状がほとんどないまま進行することが多いため、早期に発見するには、症状がなくても定期的にがん検診を受けることが大切です。
三豊市で実施している成人健康診査やがん検診については、三豊市ホームページをご覧ください。
10.知っておきたい「感染症」のこと
【性感染症】
今、若い人の間で性感染症が増えています。特に、「梅毒」は、20~40代男性と20代女性の患者数が市内で急増しています。性感染症の中には、不妊の原因になったり、妊娠中にかかると赤ちゃんの健康に影響を与えるものがあります。
感染のリスクを感じたり、気になる症状がある方は検査を受けて早期に発見し、治療を行うことが重要です。パートナーがいる場合は、お互い感染し合うことがないように、パートナー間で予防・治療に取り組むことが大切です。
【その他の感染症】
風疹、麻疹、水疱瘡(みずぼうそう)・・・など、性感染症以外にも妊娠中にかかると赤ちゃんに影響を与える恐れのある感染症があります。日頃から、手洗いやうがいなどの感染予防に努めるとともに、ワクチンで予防できるものもあるため、妊娠を考える前にパートナーや家族も含め、必要なワクチンは接種するようにしましょう。
※ご自身の予防接種履歴は、母子健康手帳で確認できます。接種記録を確認してみましょう。
項目 |
行動 |
備考 |
風しん |
・母子健康手帳でワクチン接種履歴を確認し、未接種であればワクチン接種を受ける(2回接種が必要) |
・胎児への先天性風しん症候群を予防する |
梅毒 |
・性行為ではコンドームを使用 ・性器のしこり等、気になる症状があれば受診 ・症状がなくても心配な場合は、検査をパートナーとともに受ける |
・2013年以降、男女共に梅毒の感染者が増加 ・初期症状が分かりにくいので注意が必要 ・妊娠中に感染すると流産や死産、先天梅毒の危険性がある |
性器クラミジア感染症 |
・性行為ではコンドームを使用 ・気になる場合は、検査や治療をパートナーとともに受ける |
・性感染症の中で最も感染症が多い ・感染が続くと不妊の原因になることがある |
ヒトパピローマウイルス(HPV) |
・女性が検診を受診し、HPV感染の有無を確認する ・性行為ではコンドームを使用 |
・子宮頸がんの主原因は性感染症 ・女性だけでなく、男性も感染する |
スマート保健相談室(若者の性や妊娠などの健康相談サイト)
男女ともに性や妊娠に関する知識を身につけ、健康管理を促すプレコンセプションケアを推進するため、からだや性・妊娠などに関する正しい情報や相談窓口などを紹介する健康相談支援サイトです。
お問い合わせ
健康福祉部 福祉事務所 子育て支援課
〒767-8585
香川県三豊市高瀬町下勝間2373番地1
電話番号:0875-73-3016
ファックス:0875-73-3023
更新日:2025年04月25日